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#03 クリエイターインタビュー「しなきゃいけない」ことは決めず、自分好みの時間を過ごす。イラストレーター・mizutamaさんインタビュー

「しなきゃいけない」ことは決めず、自分好みの時間を過ごす。イラストレーター・mizutamaさんインタビュー

クリエイターの方々に作品制作の裏側や時間術・手帳術にまつわるお話をお聞きする“クリエイターインタビュー”シリーズ。第3回目は、やさしく温かみのある作風が人気のイラストレーター・mizutamaさん。ご自身もたくさんの文房具を集めている生粋の文房具オタクというmizutamaさんは、マークスでも手帳やマスキングテープ、刺繍ステッカーなどのコラボ商品を多数手がけています。

今回はmizutamaさんがイラストを描くときに意識していることや、創作活動中の時間術、休日の過ごし方についてお伺いました。また、マークスから発売中のmizutamaさんのマスキングテープやシールを使って、手帳のページをにぎやかに彩るmizutamaさん流デコレーション方法もご紹介。mizutamaさんオススメの手帳術で、思わず見返したくなるページを作ってみませんか?

心がほっこり温かくなる。誰もが癒されるmizutamaさんの魅力

マークスから発売中のmizutamaさんコラボの新作文房具
マークスから発売中のmizutamaさんコラボの新作文房具

やさしい色使いと、柔らかいラインが魅力的なmizutamaさんのイラストは、「かわいさ」だけでなく「癒やし」も感じることができます。Instagramでは、10年以上描きためているという「コースターイラスト」の制作風景を動画で紹介しており、真っ白な円の中にmizutamaさんの世界観ができあがっていく様子に思わず見入ってしまいます。

アナログでもデジタルでも「下書きはしない」と話すmizutamaさん。「こうしなきゃ」という型にはめず、伸び伸びと自由な表現だからこそ、見る人を優しい気持ちにさせてくれるのかもしれません。心をほっこり温めて笑顔にしてくれるイラストは、慌ただしい日常の中の緊張をほぐしてくれる存在です。

「失敗したら描き直せばいい」。下書きはせずに、その日の気分に合わせて描く

mizutamaさんが描きためている「コースターイラスト」
mizutamaさんが描きためている「コースターイラスト」

―― 「コースターイラスト」は、今ではmizutamaさんの代名詞ともいえる存在ですね。イラストを描くときに意識しているポイントを教えてください。

mizutamaさん:アナログ、デジタル問わず、イラストを描くときは「下書きなし」で描き始めています。下書きをすると、その通りにかっちり描かなければならず、自由な感覚でいられなくなるからです。「失敗したら描き直せばいい」という気持ちで、いつも下書きなしで描いています。また、絵を描いているときは、「こういう風に描こう」と完成図を目指して進めるのではなく、頭の中を無にして、とにかくどんどんペンを動かしている感じです。

コースターイラストは、2011年頃から描きためています。コースターにイラストを描くときは、まずは色選びから始めます。「今日は寒いから、春っぽい色を使おうかな」など、その日に使いたい色を決めて、その後に「どんなモチーフを描くか」を考えます。その日の気分によって、2〜3色で描くこともあれば、1色で描くことも。

仕事のイラストはデジタルで描くことが多いので、アナログの感覚を忘れないようにするためにも、長く続けていきたいと思っています。

「文房具オタク」としてのこだわりを、コラボ商品にも詰め込んで

仕事机の上にはコピックやペンもたくさん揃っている
仕事机の上にはコピックやペンもたくさん揃っている

―― ご自身も文房具を多く集めているそうですね。何を基準に選ばれているのでしょうか。

mizutamaさん:見た目を優先して選んでいます。かわいい文房具って、机の上に置いてあるだけでテンションを上げてくれるじゃないですか。かわいい色のペンやシール、見た目がオシャレなノートとかに弱いですね。

一番集めているのはマスキングテープとノートです。特にノートは、「次の一生分」くらいの量を収集しています(笑)。私は集めて保管するのではなく、使うために買うタイプの「文房具オタク」。だから実際に使って楽しんでいるのですが、集めるペースと使うペースが見合ってなくて、どんどん蓄積されてしまうんです。

購入するのは、実店舗とオンライン両方。地元の文房具店に定期的に通って爆買いすることもあれば、限定品などをオンラインで買うこともあります。イラストレーターとして活動をし始めてから、文房具メーカーさんとたくさんコラボさせてもらうようになり、とても楽しくお仕事させてもらっています。

手帳タイムがぐんと楽しくなる「水性ペンで書けるマスキングテープ」
手帳タイムがぐんと楽しくなる「水性ペンで書けるマスキングテープ」

―― マークスとのコラボ商品のマスキングテープも、カラフルでさまざまなモチーフが描かれていてステキです。

mizutamaさん:以前からマークスさんの「水性ペンで描けるマスキングテープ」を愛用していたので、コラボできてとても嬉しかったです。手帳に貼るだけでかわいく飾れるし、ゲルインクや水性ペンなど、ペンの種類を選ばずに使えるので気に入っています。

デザインやモチーフは、企画時に商品企画の担当者さんと相談して決めました。マークスさんらしさを出したかったので、色味はくすみ系に統一し、大人っぽいイメージで作っています。また、「書き込みやすさ」も重視したポイントです。ベースカラーは淡い色にして、書き込みスペースのサイズも検討を重ねました。

文房具の企画に携わるときは、ユーザー目線で「こういうときに使いたいな」と思うものを、提案させてもらうことが多いです。マークスさんのマスキングテープも、「自分が使いたい」と思うシーンを想像して描きました。書き込み式ではありますが、「書き込まなくても使えるように」デザインしたタイプもあるので、手帳のデコレーションとして使ってもらうのもオススメです。

仕事の時間も寝る時間も「決まりは作らない」。自由に時間を使うことで心にゆとりが生まれる

―― 普段の時間の使い方で、決めていることやこだわっていることはありますか?

mizutamaさん:決めていることは特にありません。「こうしちゃいけない」とか「こうすべき」と決まり事を作るのが、あまり得意ではないんです。その日の気分に合わせて過ごしているので、1日中のんびりしている日もあれば、締め切りに追われてバタバタと仕事をしている日もあります。

仕事をする日は、日中に打ち合わせやメール、事務作業を行って、夜中にイラストを描くことが多いです。メールや電話が来なくなる夜の方が集中しやすいので、22時頃からイラスト作業を始め、遅いときは夜中の3時くらいまで描いていることもあります。就寝時間も特に決めておらず、「眠くなったら寝る」が基本。「何時に寝る」というルールを作ってしまうと、寝つきが悪い日につらくなるので、決まりは作らないようにしています。

また、日中に事務作業が集中する日は、その後の切り替えがうまくできず、ペンを握ってもイラストが描けないということも。そういうときは「今日は描かない」と諦めて、YouTubeで推しの動画を見たり、ゲームをしたりしてから寝てしまいます。最近のお気に入りゲームは「どうぶつの森」。以前は「スプラトゥーン」に熱中していましたが、腱鞘炎になったため、封印しました(笑)。

最近では、土日は仕事から離れて「好きなことをして過ごそう」と決めています。お気に入りのカフェに行ったり、購入した文房具を開けてみたり。1日中手帳をデコレーションしている日もあります。

自宅近くのカフェ。「週2回は通いたい」と語るほど、大のお気に入り
自宅近くのカフェ。「週2回は通いたい」と語るほど、大のお気に入り

―― 普段使っている手帳は、どのようにデコレーションしているのですか?

mizutamaさん:スマホで撮った写真を貼ることが多いです。日付の記載がない手帳を使っているので、時系列はバラバラ。「スタバの福袋を買ったよ」とか「モスバーガーに行ったよ」など、その日の出来事を写真とイラスト、文字で記録しています。飛び出す絵本のような仕掛けを作ったり、両開きの窓をつけてみたりしているので、ものすごく分厚いです(笑)。もはや手帳というか、「ライフログ」のような存在ですね。

手帳初心者にもオススメ!貼り直し可能なマスキングテープを活用する、mizuatmaさんの手帳術

予定が少ない月でもデコレーションをすると楽しい印象に
予定が少ない月でもデコレーションをすると楽しい印象に

―― 今回コラボした手帳に実際に書き込んでいただきました。いかがでしたか?

mizutamaさん:マークスさんとコラボで作ったマスキングテープやフレークシールをたくさん使ってみました。手帳って買ったばかりの頃は、「うまく書けるかな」と、直接書き込むことを躊躇したりする方も多いと思うんです。

そんなときは、貼り直しできる「水性ペンで書けるマスキングテープ」がオススメ。美容室や歯医者などの「今月やりたいこと」をマスキングテープに書いて欄外に貼っておき、予定が組めたら日程部分に貼り直します。それから、「睡眠時間をたっぷりとる」などの「目標」も欄外に貼ってみました。達成したらはがして、次の目標を書いて貼っても良いですね。

それから、お気に入りのスタンプを「フレークシール」にしておくのもオススメです。時間のあるときに、無地のラベルシールにスタンプを押して、周りを切って貯めておくんです。そうすれば、手帳を開くたびにスタンプやインクを用意する必要もないですし、好きな場所に貼って、手軽にデコレーションすることができます。

お気に入りのスタンプでフレークシール作り
お気に入りのスタンプでフレークシール作り

予定が入っていないところにマスキングテープやシールを貼ると、それだけでにぎやかなページができあがります。「手帳を使ってみたいけど、何を書いたら良いかわからない」という人も、自分好みにデコレーションして手帳作りを楽しんでみてください。

―― 文字だけで記すより、マスキングテープの上に書くことで、より一層予定管理が楽しくなりそうです。ステキな使い方のご提案、ありがとうございました!

profile

mizutama

山形県米沢市出身。2012年よりイラストレーターとしての活動を開始。以降、文具メーカーとのコラボ商品を多数手がける。著書に『サクッと気軽に楽しめるぬりえ帖』『mizutama大好き文房具100』などがある。

Instagram:https://www.instagram.com/mizutamahanco/