竹を切って削り出すところから、仕上げまでのすべてが職人たちの手作業による名品
京漆器の伝統を受け継ぐ、竹銘々皿
銘々皿とは料理や菓子などをひとりひとりに取り分けるのに用いる小さな皿のこと。陶器、磁器、ガラス、木製など、素材ひとつをとっても銘々皿には様々あるが、和の心を感じるものといえば竹製が一番だろう。象彦の「竹銘々皿」は、竹を切って削り出すところから、仕上げまでのすべてを職人たちが手作業によって作る名品。柔らかな曲線を描く竹皿に漆を重ね塗りし、その上から上品に輝く金箔・銀箔が貼られる。マークスタイル トーキョーの店頭でも、その輝きを手に取るお客さまは少なくない。皿の表面にある竹特有のスジ模様が、天然素材ならではの素朴さと彩を添えているのも特徴。竹の表情を生かしながら、驚くほど薄く、そして軽く作られているのは、まさに京の匠がなせる技。また、手を添えやすく、皿を手にする所作ひとつをとっても上品かつ優雅に見えるようデザインされている。皿の裏にある「象彦」のマークは匠の技と高い品質を示す信頼の証といえる。
季節の和菓子を載せてホームパーティや祝いの席に
金箔・銀箔の上品な華やかさを備えた竹銘々皿。竹の持つ涼しげな雰囲気はようかんや水菓子など夏のお菓子と相性抜群。季節の和菓子をのせると一層おいしく引き立てるのはもちろん、実は洋菓子にもマッチするのでカジュアルな日常使いにも向いている。テイストを選ばず様々なシーンに活用できそうだ。大切なゲストを迎えてのおもてなしやホームパーティ、お祝いの席などに気のきいた菓子をのせて出せば、特別感もアップするはず。自分で使うだけでなく、内祝いや結婚、出産、長寿の祝いなど、祝いの品として贈っても、金銀のめでたい皿がお祝いの気持ちと喜びを伝えてくれる。また、和とモダンをミックスした象彦の竹銘々皿は、海外に住む大切な人へのギフトとしても最適。菓子用の皿としてだけでなく、アクセサリーや小物をのせるトレーとして、センスのいいディスプレイとして飾ってもおしゃれだ。
350年以上の伝統を誇る日本を代表する京漆の老舗
象彦の前身となる「象牙屋」が京都の寺町中ノ町に店舗を構えたのが1661年(寛文元年)、今からおよそ350年以上前のこと。屋号である「象彦」の名は、名匠と謳われた三代目彦兵衛の蒔絵額「白象と普賢菩薩(ふげんぼさつ)」に由来し、象牙屋の「象」と彦兵衛の「彦」の二文字を取った「象彦」の額と呼ばれるようになったのが始まり。四代目彦兵衛は仙洞御所の御用商人をつとめ、六代目は風流の道に通じ数々のお好み道具を制作。八代目は漆器の輸出を行い、漆器貿易の先駆者と呼ばれ、京都蒔絵美術学校などを設立。こうして歴代当主によって受け継がれてきた京漆器、京蒔絵の伝統は、御用商、皇室御用達として認められ、名実ともに不動のものとなっていった。現在では蒔絵の高級品だけでなく、日常使いできる食器やインテリアなど幅広く展開。海外企業やクリエイターとのコラボレーションを積極的に行うなど、京漆器の伝統に新たな可能性を求め、世界にその魅力を発信している。