使い方 【方眼ノートの使い方】時間軸で管理・行動する「シナリオノート」 この数年来、「ノート術」や「手帳術」を仕事の軸に、ライターとして雑誌や書籍、Web媒体などの編集制作やライティングに携わるeyeco(ごとうあいこ)さん。60以上にのぼる人の「書き方・使い方」の取材を通して、自らもノートや手帳のヘビーユーザーになったというeyecoさんに、日頃から実践しているノートの使い方をEDiTのノートを使用しながらご紹介いただきます。 TEXT:eyeco(ごとうあいこ) PHOTO : 吉崎貴幸 会議やプレゼン、セミナー、講義、イベント、パーティーから、サテライト授業や動画配信用の素材づくりなど、時間軸で内容を組み、進行していくことは、案外誰にでも起こり得るものかもしれません。そして繰り返される行事もありますね。プリントされた紙で、タイムスケジュールと内容を配られても、どうも頭に入らないというとき、また、自分が司会進行など場を取り仕切る大役を任されたとき、自信を持ってスマートに進められるとかっこいい。 かくいう私も、最近、ノート術の講師としてワークショップを行う機会に恵まれましたが、初めての講座3時間半×3回をどのように展開するか、配分や内容についてあれこれと考えを巡らせました。 そんなときは、「手で覚えていくのが近道!」と、時間軸と進行表を手書きして、自分だけの「シナリオノート」をつくってみました。 もちろん、紙のプリントやパソコン上の資料でも問題はないのですが、私が意識したのは 「見られても違和感のない台本」 。 EDiTの方眼ノートは、シンプルかつ洗練されたデザインで、手に持ったまま人前で話をするのにも場の雰囲気を壊さない優美さがあります。また、耐久性があるのもいい。 私の場合、3回にわたるワークショップなので、“繰り返し使える 進行ノート” のフォーマット作成です。 【目的】▶プロジェクトの流れ(段取り)や内容を、手書きでわかりやすく整理▶振り返りや気づきを書き足し、自分のマニュアルにする ポイント1: 時間軸を中心に内容をセットする 一番意識した点が「時間軸」です。時間軸は、視覚的にもパッと目に入るように色付きのマスキングテープを貼り、30分ごとに時刻を振りました。方眼の1マスを「5分」とするとカウントしやすく、収まりがいい。内容は「イントロダクション」「講座(前半)」など大まかなブロックにしてラベル付けし、該当する時間枠の左に配置。右側には、ブロックの中で発生することに番号を振って、おおよその時間位置に書き込みます。 書き出した番号のもので、詳しく説明したいことやポイントは、“読み上げるもの” として対向ページにメモします。配置を固定することで、目線は上から下、ときどき右、と、目の動きで順番を追いやすく、目が次のステップに誘導してくれるようになります。 ① 日付、タイトル(演題・プロジェクト名など)を記入 ② 持ち物リスト(準備したら色ペンでチェック) ③ ブロック分けしてラベル付け。おおよその時間も書いておく ④ 色付きのマスキングテープを使い、1マス=5分でカウント、時間軸とする ⑤ 進行の順に番号を振っておく ⑥ 特に重要な内容については直接書き込む(この場合は質問事項を記入) ⑦ 進行の中で言及したいこと、紹介したい内容などは右側に(該当部分は同色マーカーでリンク) ポイント2 : 読んでワクワクする工夫をプラスする 当日進行をしながら、変わった部分があれば、赤ペンで記入。また次回へ繰り越すことや解消しておきたい疑問などは、ふせんを活用すると便利です。このノートはあくまで「使い回しの保管用」なので、毎回共通する情報や意識したいこと以外は、直書きしません。一方で、振り返りのレビューは残しておきたいところ。「よかった点」「反省点」「課題」は次回の自分へのバトンです。レビューは必ず書きますが、読んでワクワクする工夫をプラス。色ペンやシールなどちょっとした遊びを加えます。 ① 予定と違う場合は、赤ペンで実際の動きを記入する ② 振り返り枠を設けてレビューする ③ 次回の繰越事項はふせんでメモする 次回の「シナリオノート」は、初回のページを土台とし、改善点も盛り込んで、新しくページをつくります。ノートに手書きしながらつくることで、時間の流れや内容のボリュームなどを紙の上でシミュレーションできるのがいいところ。プリントや資料ですでに完成したものがあっても、アナログのノートに落とし込んで自分で構成すると、頭にも入りやすい。ノートに清書しながら、当日の流れを体に叩き込む感覚です。 また、繰り返し使うノートとしては、振り返りたくなる工夫をすることもオススメ。カラフルな色ペンやシール、スタンプ、また”水性ペンで書けるマスキングテープ”など、パッと目に入りやすい仕掛けをすると、見るたび脳に刷り込まれていきますよ。 「シナリオノート」のよさ ▶繰り返し使う教科書(マニュアル・テキスト)を意識して手書きすることで理解が深まる ▶整理された自分だけのマニュアルを1冊持つことで自信がつく ▶見やすい工夫をして振り返り回数を増やせば慣れるのが早い ▶予定と現実(結果)を一元管理できる ▶予定・当日の流れ・内容・課題・改善点までを1冊に整理して保管できる ▶清書したノートはPDFやコピーなどデジタル化してストック、シェアもできる ▶自分用の議事録になる 「シナリオノート」を応用できそうな、その他の使い方 ▶会議やプレゼンの準備 ▶セミナーやワークショップの準備 ▶勉強の計画&レビュー など Profile ごとうあいこ(eyeco) Aiko Gotoフリーエディター&ライター 編集プロダクション勤務を経て、2007年よりフリーランス。『夢をかなえる! 私のノート術』(宝島社 / 2016年)のライティングを担当して以来、文具、ノート、手帳の活用術をテーマとした書籍に数多く携わる。ヘビーユーズのノートや手帳を使った講座やワークショップもときどき開催。英会話と異文化交流がライフワーク。 Web:room510.lomo.jpInstagram:@room510edit EDiTの読みもの 一覧へ EDiTブランドTOP